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SoundSchedule

「バンドのなかはとても解散したとは思えない……解散したからなのかもしれませんが、僕らはいまとてもいい雰囲気で活動してます。大学時代、バンドやりだしたときみたいに3人で演奏するのが楽しくて。そんな僕らをみんなが待っててくれている。Sound Scheduleは、幸せの絶頂にいます(笑顔)。だから、Sound Schedule以外に各々のライフスタイルがありつつも、このバンドは解散せずにやり続けていきたいと思います」 

先日最終日を迎えたSound Scheduleの2012年のツアー“PLACE 2012”。このツアーのセミ・ファイナルとなった恵比寿LIQUIDROOM公演。そのアンコールの最後、大石(Vo&G)の口から飛び出したのが冒頭の宣言。

 昨年バンドを再結成し、音楽活動をしていくなかで3人がもっとも心を動かされたこと。それは“こんなにもたくさんの人たちが自分たちを待っててくれた”ということだ。だからこそ、今年はライヴを観たいと思っている人みんなが観られるように会場のキャパを大きくしてツアーを組んだ。さらに、ニュー・アルバム『FUTURE』を制作するにあたって、どんな風にみんなのなかに自分たちの音楽が残っているのかを知りたくてリスナーから曲にまつわる思い出を募集した。コメントを読んで、自分たちが作ってきた楽曲が自分たちを離れた後も人々の人生のなかに様々な形で存在し、曲を通していろんな人がサウスケとつながっていると改めて実感した彼ら。身近にもこんな信じられないようなエピソードがあった。先の大石の宣言の前、川原(Ds)からは大切な報告がファンに伝えられた。

「どのタイミングでいおうか考えてたらここまできてしまいまして。去年、結婚したんですよ(照笑)。結婚式には2人にも来てもらって演奏もしたんです」

 そのとき、2次会の会場に設置された簡易ステージで3人が「ピーターパン・シンドローム」を演奏しだすと「あの新郎さんってSound Scheduleの方だったんですか?」と店長が驚愕。なんでもその店長、自分が受験生のときに友達が元気が出る曲を集めてプレゼントしてくれたMDのなかにこの曲が入っていて、当時お気に入りだったのだとか。あれから数年後、自分が働いてる場所でまさかこの曲を歌っていたメンバーの結婚式に遭遇し、生演奏で“あの曲”を聴くことになるとは。

 こんなつながり、誰が想像できただろう。Sound Scheduleの曲がつないだ“縁”、結びつけた人と人とのつながり。それをライヴを通して確認しあったのが今回のツアーだった。

だから、Sound Scheduleはもう2度と解散しないだろう……。

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 アルバム『FUTURE』の曲順同様、「グッドモーニング」〜「エイリアン」というメニュー構成でオープニングからきっちりとこのバンドの未来図を見せる形で幕を開けたLIQUIDROOM公演。「年に1度のSound Scheduleが始まりましたよ。みんなの“フー”を聞かせて下さい。その後ジャンプで。いくぜ、Everybody!!」という大石の陽気なかけ声から「グッドタイムコミュニケーション」が始まると、フロアを埋め尽くしたお客さんがぐぐっと前に詰め寄る。そこに「幼なじみ」。あのギターのイントロ1フレーズでフロアがものすごい一体感に包まれる。サウスケのキラー・チューンはこのように聴き手を一瞬にして引き込むギター・イントロを持った楽曲が多いことにこの日改めて気づく。次に始まったのはアルバム収録曲のなかでも彼ららしいナンバー「その愛を止めないで」。これもギターのイントロがカッコいい。「さらばピニャコラーダ」なんてのは、いまのサウスケが演奏したほうが当時よりもはるかにギターのかっこよさ、川原のリズムのタメが際立ってスリリングなロックナンバーとして届いてくる。演奏しているメンバーも相当気持ちいいのだろう。曲も後半に差し掛かると、沖(B)はベースの弦ではなくボディをガンガン叩いて盛り上がり、大石はテンションが上がりすぎてマイクを落としてしまうほどエキサイトしてあたふた。それを「なにやってんねん」と苦笑いを浮かべながら後方から見つめる川原。このトライアングルの構図、ステージ上はとてもいい雰囲気。

 この後大石のMCへ。ここではいまから12〜13年前にサウスケが初めて東京でライヴをやったときの秘話が明かされる。ライヴ直前、緊張し過ぎて高熱を出し、当日リハの途中で病院に行って看護婦さんに座薬を入れてもらってステージに立ったと話す大石。「今日は“NO座薬”であのときも歌った曲を」といって場内をおおいに笑わせたあとでも、名曲「コモリウタ」にすっと入れるところなどは彼ら自身がバンドに対して気持ちに余裕があるいまのサウスケだからできること。ここから始まったバラードブロックも、いまの大石は会場に集まった一人一人に向けて、ソロで培ってきた繊細な息づかい、歌い回しなどのテクニックを使って言葉とメロディを丁寧にやさしく聴き手に届けていく。

 変わらないものもあるけれど、変わったものもたくさんある。

「ライヴをやるとこれだけの人が待っててくれるんだと実感できるので、全国楽しくやらせてもらってます」

 今回のツアーの感想をそう語った沖のステージ・パフォーマンスもまた、再結成前とは変わった印象がある。いまのほうが気持ちが開放されているのか、それがダイレクトにプレイに表れているからパフォーマンスもしゃべっているときも見ていて楽しい。

「みなさん、揺らす準備はできてますか?」という大石の合図からライヴは「言葉以上に」から後半へ。ここからラストまでいっきに突き進む。みんなで歌う“アハハン”のコーラスもばっちり決まった「君という花」、歌詞・メロ・バンドアンサンブルはいま聴いても最強の「ピーターパン・シンドローム」、“負けんな”という歌詞が音ともにぐっとくる「コンパス」。当時と変わらず、いまでも心を揺さぶる数々の名曲たち。けれども、そのあと演奏された「エピローグ」、そして本編を締めくくった「結末のない二人」、アンコールのラストに演奏した「ことばさがし」はきかたがまったく違う。1度解散したバンドだからこそ歌詞の重み、意味が変わって届いてくる。今回のツアーでこれらの楽曲は“ここからまたしばらく離ればなれになるけれども、1年後にまた会おう”とメンバー同士が、さらにはサウスケとオーディエンスが再会を約束する絆ソングのようなものになっていった。

 今年のサウスケの活動は終わった。けれどもこれは未来がある別れ。来年もまた、少し成長した姿でみんなで会おう……。

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